山本寛之
キッチンあれこれ
先日のお客様との打ち合わせでキッチンの配置について質問が出ました。
ちょうど良い機会なので施工例も合わせてメリットデメリットを考えてみます。
キッチンについて考えるときは、まずはリビングよりの空間なのか、もしくは独立した空間に近いのか?を考えます。
リビングよりであればアクセスする動線もリビング通過となり、独立側であれば買い物袋やごみ袋を持ってリビングを介せずにアクセスすることができます。特にゴミ捨てではビニールからポタポタ床にさせたくないですよね。
またキッチンに付随するダイニングについても、どのように配膳するかでダイニング側のカウンターの形状も決まってきます。フラットであればキッチンの距離は近く感じますが、キッチンの生活感も逆に見えてきてします。少し手元を隠せるカウンターであれば、食事の後のお皿の山や洗剤などのボトルも見えず、ダイニング側に取り出しやすい収納も増えるというメリットもあります。
まずはオープンキッチンの例です。どちらかといえば利用者レベルは高く、常に見られるという意識に対して対応でき、常に食器を棚に戻しシンクを毎晩綺麗にできる能力が求められます。食器洗濯機が大きいほど対応しやすい感じがします。オープンであるが故に、アイランドやこだわりの内装材・収納庫も多めに必要なので値段は高めになります。家電なんかも拘りたくなるので、予算に注意しましょう。
次にアクセスは別に設けながらも、フラットキッチンで対応したセミオープンパターンです。ある程度の区分けをしながら、ダイニング側にオープンになっているのが特徴です。構造的に壁が必要な場合も多く、ある程度床への水・油はねな防止に配慮することができます。床暖房や給湯器、インターホンのリモコンは実はキッチンに近い壁があると良いので実は壁は使えます。玄関からいきなりこんにちはなんてことも防げる目線のコントロールが効きます。
次はアクセスを別に設け、カウンターは高くしてより隠し気味にしたセミオープンパターン。上のフラットよりは手元を隠せます。収納重視かつ生活感が出てしまう方におすすめです。上に垂れ壁を作るかはお客様次第です。最近は吊り棚も使えないのでほとんど登場しないですね。これは標準I型キッチンを使うことができるので、フラットタイプに比べて値段をガクンと落とすことができるエコノミースタイル。P社やL社などのロゴも隠せますw
そして、珍しい独立タイプ。昭和スタイルとでもいいましょうか?調理中に子どもの姿が見えないので、最近は少なくなっています。どっぷり浸かりたい料理好きな玄人向けかもしれません。
最後に、リビングの中にいながら手元を隠すイレギュラータイプ。自邸なみへい庵もそこにありました。収納問題は別に納戸をもけるか、後ろにがっつり収納を設けるかでしょうか?
アイランドタイプは動線は良いですが、場所が必要なのと換気扇はどうするの問題が浮上します。片側に寄せるペニンチュラ(半島)タイプはその点解決がしやすいです。ちなみに自宅のフードは暖炉部材とアンティークの照明のシェードを使った自作です。
キッチンのあり方を考えるとなかなか止まりませんね・・・・