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  • 執筆者の写真山本寛之

夏型結露の恐ろしさ

更新日:1月30日




今回は築20年もいかない住宅のはなし


とあるご相談を受けました。2Fの東側の壁にカビが出てクロスが浮いてしまっているから見てほしいと。場所は神奈川は葉山の斜面地にあり東側の日当たりも風抜けも良く、2Fは窓を開けると気持ち良い風が抜けるような場所でした。外から見たら綺麗な外壁で何も不具合は感じられません。


しかし東側にあった家具をどかしてみると壁一面には黒いシミが広がりクロスも浮き上がり波打っていました。もしやと思い後日クロスを剥がしてみると内側の石膏ボードは腐朽菌で真っ黒でした。


敷地下の東側には蛇行した川が流れており、そこからの湿気が継続的に壁面に当たったとしても高低差もあるので腐朽菌が繁殖するような状態ではありませんでした。考えられたのが既存の(隙間の多い)ジャロジー窓周辺からの漏水、そして屋根からの漏水を疑いました。しかし屋根裏は至って乾燥した良い状態。外壁に水をかけたりしましたが、確実な漏水は確認できませんでした。


そうなると壁内結露が考えられコーキングが切れた外壁を張り直すタイミングで湿気を通す修繕方法を検討しました。少しでも外部には通気層を確保し、それでも入り込んだ湿気は気密層で塞がずに可変調湿ボード、透湿クロスなどで壁内に溜めずに流すことに。室内は風通しも良いので湿気も溜まりにくいと考えました。さあ、外壁を剥がしたらとんでもないことがわかりました。合板はスカスカ、断熱材は濡れて垂れ下がり隅柱や筋交・胴差しも腐食し、腐朽菌だけでなくアリの巣やキノコも生えて建築金物もすっかり錆びていました。夏型結露の典型ではありますが考えられる原因がいくつも判明しました・・・


1)サッシ周りに防水テープが全く貼られていない。

2)横に張るべき防水紙が縦に貼られて、重ねもほとんどなし。

3)外壁には通気層なし

4)防水紙が軒裏下で終わっている

5)バルコニー板金の出幅に余裕がなく逆に水を吸っている

6)バルコニー防水の劣化、そしてFRPの下地も固定されず動いているなどなど




今ではとても考えられない施工です。サイディングのコーキング切れやサッシ周りから漏水が始まり、水が抜けずに東側の強い熱射で蒸気となり壁内の隅々に湿気が行き渡ったと考えれます。お客様曰く、親戚の大工にお願いしたが家を作ったのは本人ではない別の大工だったとか。つまり知識のない大工に丸投げし管理もされなかった結果ということもわかりました。


かなり驚きでしたが対処としてまず壁内を徹底的に乾燥させ、構造材、金物をできる限り交換・補修し、古いジャロジー窓も交換、耐水性の高い耐力面材に入れ替え遮熱防水シートで熱を軽減させ、開口部周りには防水テープをしっかりと施しました。樹脂製の通気胴縁にて通気を確保し、排気能力が足らないと思われる軒裏に無駄に外気が入るのを防ぐために軒下で壁内通気を排出できる通気部材を使いました。断熱材には湿気を溜めない旭ファイバーグラスのアクリアウールと可変調湿シート、室内側には吸放出ボードと調湿クロスを採用し壁内には湿気が溜まらないように。更には部屋の使い方もタンスなどの家具を置くのではなく、風が流れるオープンな使い方をするようにしていただきました。





いずれにしても外からは全くわかりませんが、知らず知らずに家が蝕まれていました。他の外壁部分についても同じ施工なので油断はできませんが様子を見ていきたいと思います。自分は木質系サイディングがメインですが、窯業サイディングと違って動きもあり水分を吸収・放出し隙間もできるので裏側に通気層と防水処理(通常二重です)をすれば常に空気が動くので健全な状態を保てます。昔は東側は林があって直射日光はなかったようですが、ある時に木が伐られサンサンと光がさすようになったそうです。


夏型結露は室内外の温度差がきっかけになります。夏のエアコンの設定温度にはご注意を。

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