• 山本寛之

省エネ住宅とはなんぞや

最近、耐震等級や認定低炭素住宅のお問い合わせが多くなり、しっかりと知識を見直す時期にきました。


以前のブログにも書きましたが、耐震等級についてはツーバイフォー工法だと耐震等級2相当は取れていますが、認定するには費用もかかるのでどう考えられるかだと思います。あくまで個人的な意見ですが耐震等級3にもなると比較的軽い木造住宅には過剰な基礎設計になり、計算の一人走りにならないよう施工側の高い能力も同時に求められます。また地盤耐力も合わたバランスも合わせて考えないといけません。


仕様や間取り、安全や省エネなど住宅には無限の要求がありますが、お客様の予算には限りがある。つまりは配分のバランスが一番大事。


現時点でベターと考えられるのは、比較的構造が堅固なツーバイフォーに関してはバランスの良い間取り・構造を守りつつ(安全側の設計で)、省エネ側にお金を使った方がバランスが良いのかなと感じます。


さて、近年の省エネ住宅の流れですが、世界的にも産業から排出される二酸化炭素の抑制、1次エネルギー消費の削減が求められています。影響が大きいのは建設に関しては大規模建築ですが、住宅もしっかりと支えていかなくてはなりません。


2021年4月からは省エネ住宅の説明義務化が決まっており、H28年度の省エネ指針に適合しているかどうかクライアントに説明しなくてはなりません。説明程度と言っても、建築士からあなたの家は省エネに適合していないと言われると少し・・・な感じはしますね。暮らし方が省エネに適合していないとは言えますがw


省エネ基準も度々改正され、様々な基準+減税効果などが作られ建築士側も知識のアップデートもその都度求められるので本当に大変ですが、今月の講習で頭の中もアップデートされましたw。お客様も混乱するのも当然ですね。


まとめていくと・・・


省エネ基準(H25基準レベル)<説明義務制度(H28基準レベル)<誘導基準(1次エネルギー10%以上削減)<トップランナー基準(15%)<ZEH基準相当(20%)


このような省エネ制度と達成レベルがある感じです。今の住宅であればH25基準はあたり前なのですが、まずは現設計でH28基準はどうかということになります。この中に長期優良住宅やら認定邸炭素住宅などいろんな認定住宅が入り込んでいる感じです。


 というわけで、2014年に建てた自邸を参考に外皮計算や1次エネルギーの計算をしてみました。当時はアルミサッシ(エイピアJ)と屋根断熱はロックウール100ミリというスペックでした。お金がなかったので仕方がないのですが冬になると窓周りの結露が悩ましいのです・・・(今はランクの高い樹脂アルミサッシが標準で、屋根断熱も200ミリや充填断熱などスペックも上がり種類も増えています。)


久しぶりに元理系の頭をフル回転させ、抵抗値や貫流率、日射取得率など謎の公式と向き合うこと数時間・・・・外皮計算や1次エネルギー計算は簡易方式(より厳しい側の設計)をとりましたが、H28年基準レベルには到達しているこは分かりました(安堵)。ただし、10%以上削減の認定低炭素には至らず。なるほど・・・


では、サッシを今の標準の樹脂アルミサッシ、天井断熱をロックウール200ミリにしたとしたら・・・見事、認定低炭素達成という結果になりました。


計算の中で、屋根断熱、土間周りの断熱、ユニットバスの高断熱化、軒や庇の設置、しっかりした換気、省エネ住宅設備機器(トイレ、シャワー、水栓)の採用などに気を使うことが大切ということがわかりました。今の設計では当たり前ですが、土間の多い住宅設計などは注意が必要ですね。しかしエアコンや太陽光、太陽熱、高効率給湯器利用など設備寄りの考えで、自然の気候を利用した家の考えはあくまで別で、節税対策にメリットありというのがどうも資本主義的エコビジネスを感じずにはいられません。それにしてもこの計算は慣れないと大変ですが、設計と合わせた見直しも出てくるので時間と費用はやはり掛かってきそうです。


税金対策に関して言えば、


フラット35Sで10年金利引き下げを目指す人は断熱等性能等級4(H28基準レベルぐらい) 住宅ローン減税(控除対象5000万、最大控除500万)、登録免許税、ついでにフラット35Sを考慮する場合は、長期優良よりも取得しやすく(維持管理も少ない)省エネに特化した認定低炭素でOKといった感じかと思います。ただし、一般住宅でも控除対象4000万、最大控除400万なのですごく得という訳ではないです。控除400万で十分なら、屋根断熱と省エネ機器に配慮しておけば十分いい家になります。


 住宅設備メーカーがやたら営業に来るZEH(20%削減)は創エネだから結果±0!という考えから最新設備のゴリ押しがあるのであまり好きにはなれません。設備を作るのにもエネルギーは消費するし、使えなくなった設備については口笛を吹いて横を向いちゃう感じが否めません。そこは日常から無駄な消費を抑えていけば良いのだと思います。トップランナーなどは商業や工業などの大規模建築などに向いていると思うので制度としては国を挙げて取り組んでいってもらいたいと思います。


 消費者が特に求めていなくてもやたら建設される大規模建築は、当然省エネ化を測っていただき、個人住宅となるといろんなスペックを詰め込みたくなりますが、ここは正しい知識を持った建築士が間に入って予算をみながら配分を考える省スペック化を指南しなくてはならないと感じました。


そのまま詰め込むとガンダムデンドロビウムのようになってしまいます



指南役はいつも至難の道・・・続く


















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