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鎌倉市 イエローゾーンの崖に隣接する土地の事

執筆者の写真: 山本寛之
山本寛之
9 分前
読了時間: 5分
高低差のある庭と1階リビング
高低差のある庭につながるデッキと1階リビング

1. はじめに

  • この記事でわかること

    崖のある土地で購入前に確かめること

    建築許可までの期間

    価格が抑えられる理由と予算の使い道

  • 施主の希望

    海まで自転車で通い、家族でサーフィンを楽しむ暮らし。

    ある程度の広さと、陽当たりのよい土地


2. この土地に出会うまで

  • 藤沢市内の沿岸部に住んでいたが、暮らし方の変化から鎌倉への移住を考えた。

  • 海まで自転車で通えるエリア、敷地面積約50坪、坪90万円以下の価格帯、良好な陽当たり、自然に接した暮らしという鎌倉でもかなり厳しい条件で探していたので土地探しの期間も一年に渡っていた。

  • 土地は施主自身がサイトで見つけた比較的格安な物件。条件としてはかなり合致していたものの、背面にある自然崖にかかる崖条例と建築基準法上の道路に接してない43条2項道路という建築までの長い道のりから他エリアに比べて坪単価が安かった。この土地が諦めきらない中、それまでの不動産会社が手を引いたこともあった。

  • 土地の第一印象は緩やかな斜面で、前に視界を遮るものがなく、1日に渡り陽当たりもあり、鳥のさえずりや木々の音など自然に囲まれた素晴らしい環境であった。




3. この土地の条件:イエローゾーン・崖条例・接道

  • イエローゾーン(土砂災害警戒区域)

    建てる家の構造に制限はないが、土砂災害の危険性があるので売買時に土地のリスクの説明が必要な区域。鎌倉市ではほぼ全土にわたりイエローゾーンが指定されている。計画に大きな規制が入るレッドゾーン(特別警戒区域)とは違う

  • 神奈川県の崖条例

    一定の高さの崖の近くに建てる場合、既存の擁壁や崖地の安全性の確認が必要になる。

  • 擁壁のない自然崖(高さ 推定約25m)

    敷地に直接接していないが建物までは約30m。

  • 前面道路

    建築基準法上の道路に接していない敷地のため、第43条第2項の許可が必要。行政とは通路位置や幅(境界線)を長い時間をかけて協議する必要があった。

  • 43条2項2号の許可とは

    建築基準法の道路に接していない敷地でも、周囲の空地など一定の条件を満たし、建築審査会の同意を得て許可されれば建てられる。ただし許可が出るかは個別の審査により判断は土地ごとに異なるので必ずしも許可がでるわけではなく売買の白紙撤回の可能性もある。


4. 購入前に、崖の安全性を確かめたこと

  • 地盤調査会社による崖の上と下で試掘調査を行なった。

  • 地元の山をよく知る樹木医が、崖地の樹木の生育状況と崖の状態を確認し、倒木の危険度を予測した。

  • 役所と自然崖や崖地表土の安全性に関する協議をおこなった。

  • 伝えたいこと

    試掘結果、樹木の生育状況や倒木に関する意見、崖高さに対する建物配置など多角的な情報をもとに総合的に判断した。それでも安全性や建築許可に「絶対」はないというリスクを施主さんに十分理解してもらったうえで土地の購入を決めた



5. 建築許可までの道のり

  • 道路の協議: 約2か月

  • 風致地区の許可: 約3週間

  • 崖地を含む建築許可: 約2か月

    地元不動産会社、地盤調査会社、樹木医、建築士、施主さんがワンチームで取り組んだことは大きく誰が欠けてもこのプロジェクトを進めることができなかったと思います。


6. 坪単価を抑えられた理由と、予算の使い道

  • 崖・イエローゾーン・接道条件があるとハードルが高くなるので坪単価も下がりやすい

  • 浮いた予算: 高騰した工事費の吸収、太陽光発電の設置など


7. 1階で眺めを楽しむ、大きなリビングの家

  • 前に視界を遮るものがなく、1階からの眺めがよかったため、あえて2階からの眺望は求めず、大きな1階リビング・デッキ・広い庭で暮らす家を提案した。

  • 2階には寝室と仕事場。仕事場は裏山の景色を楽しめる配置とした。

  • ツーバイフォー(枠組壁工法)を選んだ理由

    壁で支える構造強さを崖地のリスクに対しても期待したこと。昨今の法改正で審査が混み合っていたため、比較的簡易な仕様規定のルートで審査を進められたこと。

  • カラマツ外壁の色

    海が好きな家族なので青を基調に。最後はご主人の着古したジーンズシャツの裾色から、みんなで決めた。


8. 施主さんの声

 以前は藤沢市の沿岸部に住んでいましたが、暮らし方の変化から鎌倉への移住を考えていました。家族で楽しむサーフィンは欠かせないので気軽に海まで通え、50坪ほどの広さと十分な陽当たり、そして坪単価も抑えた理想の土地を探したい。かなり無茶な希望なのはわかっていましたが最初の土地探しでは厳しい現実を目の当たりにしました。

 鎌倉に詳しい建築士のクラシックさんと土地探しからご相談した中で比較的早く見つけられたこの土地は希望をすべてかなえるものでした。(敷地には接していないものの)擁壁のない自然崖があり、道路でない通路にしか敷地が接していないこともあり許可までの道のりも険しく約束されたものでないところからのスタートでした。それでも建築士をリーダーに地元不動産会社や地盤調査会社、樹木医など多くの専門家に支えてもらい、今の暮らしにつながっています。


9. 崖やイエローゾーンのある土地を検討している方へ

  • 区域を確認する(イエローゾーンかレッドゾーンか)

  • 崖の状態・高さ・建物までの距離

  • 擁壁の有無と状態

  • 前面道路が建築基準法の道路か (43条2項2号の許可が必要になるか)

  • 着工までの期間に余裕があるか (許可が長引くと、ローンの再審査になることも)

  • 建物の配置への影響


    「買う前に建つ家がわかる」ことは、予算が限られた昨今の住宅事情では必須になってくると思います。不動産会社からまず土地を決めて、そこから工務店や建築事務所を探す流れだと尻窄みの資金計画になってしまいます。土地を選ぶ段階から暮らしが見える建築士をあなたのパートナーにしてみてください。


10. 土地探しのご相談

「候補の土地のチェックだけでもご相談ください。ご相談は無料です」

 
 
 

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