先月無事にソマミチツアー終了しました。自分は今回裏方に徹したのでツアー全体を見ることはできませんでしたが、参加者の皆様は歩いて森をしること、森で食べることの楽しさにたくさん触れて頂いたようです。今後も盛り上がりを見せるソマミチの活動ですが、衣食住の関わりが森の魅力に繋がり、森の未来も支えることを強く感じた次第です。
記事はソマミチブログから https://www.somamichi.com/blog
今回のツアーの目的地は、松本市入山辺の県民の森。
カラマツ植林地だけでなく苔むす巨木や渓畔林もある多様な森です。数年前までキャンプ場だった閉鎖エリアを、ソマミチメンバーの案内とともに散策するという一日。
以下は、香山さんによる紹介文です。
「美ヶ原県民の森」はカラマツや天然広葉樹林の中に整流が流れ、歩きやすい平坦な地形ということもあって、散策や野外活動に最適な森林です。長野県が整備し「県民のレクレーションや自然探索、自然や森林に関する知識の普及と健康増進を図る場」として活用を目指していましたが、5年ほど前に閉鎖され、いまでは美ヶ原への登山道として通過する人がいる程度で「県民の森」としての活用は止まってしまっています。
今回、管理者である長野県、松本市からの許可をいただき、あらためてこの森の活用について、市民の側から考え始めるきっかけをつくることになりました。
森の活用を考える、というと頭でっかちになってしまいそうですが、まずはその空間を感じていただきたい。
ということで、最初のプログラムとして、ヨガ講師でもあるソマミチ代表原薫より、簡単なレッスンを行いました。
一人で、そして二人組で体をポンポンと叩いてく簡単なものですが、普段意識を向けていないところに気持ちが行くような気がします。
カラダを温めて心が少し開放されたでしょうか。その後、山に入っていきます。ここは、一帯の森の中でも少し雰囲気の違う場所。原生林のような大きな木が生え、切り株が苔むしています。
香山さんから、マップづくりという今日のお題も出され、参加者さんがそれぞれ自由に歩き回ります。
サワラとカツラの大木が、なんとも幻想的な雰囲気。
移動して、本日メインの場所となる、広小場へ。ここは、美ヶ原への登山道の途中でもあります。火を焚いていたので、みなさんその近くに集まり、参加者さん同士であれこれお話も始まっています。
美ヶ原の登山道方面へ。
ランチは、塩尻のフレンチレストラン、ラ・メゾン・グルマンディーズの友森シェフにお越しいただきました。フランスなどでもお仕事をされた後、野菜のおいしさに魅せられて塩尻でお店を開くことになった友森さん。野菜だけでなく、ジビエや山菜、キノコなどにもお詳しいです。
アウトドアでのランチを引き受けることもあるという友森さんですが、こんなに山奥で標高が高いところだとは…と驚いていました。標高1500m、お湯が沸かない!と言いつつ、テキパキとご用意くださいました。
メニューはこちら。
まず、地元野菜のテリーヌ、美しい!
そしてメインは鹿肉のロースト。現地で炭火で焼いてくださいました!鹿は、松本と塩尻の間、片丘産の鹿とのこと。
↑ここに、地元の赤ワインとリンゴとはちみつのソース↓を添えて。
ダッチオーブンではクスクスをご用意くださっています。
テーブルに並ぶと、森と地元の恵みの結晶のようなお料理でした。
周りに散らしたのは、ヤマユリの種。なんだか、宇宙のようではありませんか!
食事後、ワークショップの会場となるソマミチメンバー前田大作さんのアトリエm4工房へと移動しました。
実は同じ三城エリアにあります。去年の夏のツアーでも行きましたが、本当に素敵なところなのです。
本日のテーマ、マップづくりの時間を取り、みなさんに発表していただきました。
会員さん同士、もう顔なじみになっていて、久しぶりの再会の中学生Tくんの大きさに驚愕。
マップは、松本の街からのつながりを書く方、今日見た樹木や草木にフォーカスする方。
ここから個々のマップをグループで交差させていき…たかったのですが、残念ながら時間切れに。
みなさんの宿題とさせていただきました。
最後の感想では、こんなコメントをいただきました。
とにかく、楽しかったです!それが第一印象です。普段、観光のお手伝いをしています。山があれているという問題があると聞きましたが、暗い問題ととらえるのではなく、観光をうまい形で、興味がある人が楽しく解決できたらなと。森自体に興味を持ちましたし、もっとうまく繋がりができないかなと思いました。
大学生で、普段林業の勉強をしていますが、漫然と勉強していると思ってしまっているので、ソマミチのイベントによって、実際にフィールドに出ることで自分の立ち位置に気づかされました。香山さんの話のように、植林した時の時代、車がない時代、という過去があって、今があって、そして、将来、皆さんがこういう森にしたらいいなって、過去と未来との間にいる、自分が、現在に、森林の勉強をしている意義を再確認できました。
山の中に入って、歩いてみるのはまた違う経験で、見える世界が違った。なかなかいけないけれど、やはりわくわくするし、次はどうやって次の未来を考えるんだろう。山が荒れているとかあると思いますが、私個人としては、今のままでも楽しかった。昔があったから今があった。これからどうしていこうというのも、あると思いますが、森を大切にするという気持ちが伝わっていくといいんじゃないかな。今日は本当に気持ちのいい一日でした。
今回は、三城地元の扉温泉をはじめ、浅間温泉、中山、四賀と、松本から程近い山間地域で観光に関わる方々が多数ご参加くださいました。あわせて、遠方の名古屋、岐阜、東京からと、外から目線の方もいらして、松本の観光を考える機会になりました。どの地域も似たような課題を抱えつつ、でもそれぞれの地域の取組みにつながっていくと面白いですね。ソマミチも山のプロフェッショナルとして、ぜひ一緒に考えていければと思います。
ソマミチ代表の原薫からのご挨拶では
「皆さんと一緒に、松本城、上高地だけ寄って高山に行ってしまうのではなくて、ここならではの体験を提供できたらいい」と。
確かに、その地域地域の人は必ず違うはずで、松本里山めぐりみたいな滞在ができるようにしたいですね!
県民の森については、県の方とも話が始まっており、またみなさんのお知恵をお借りすることができればと思います。
ソマミチ番外版 チェインストーリー